• 海 / Kuva: Juha Kuva
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海に抱かれて

ヘルシンキは海に抱かれた街といえます。海岸沿いを歩けば風が頬をなでていくし、波は足取りを軽やかにしてくれます。かもめは頭上を旋回し、アイスクリームを食べているときに出会おうものなら、大声を出して近くまでやってくるかもしれません。水平線の彼方を見れば、大型貨物船、クルーズ船そしてヨットなどを見ることができるでしょう。

海の向こうを眺めるに値する美しい景色のひとつにスオメンリンナ要塞があります。グスタフの剣(Kustaanmiekka)と呼ばれる険しい中にもロマンを感じさせる岩場では、思いっき海に抱かれてり腕を伸ばして横になるのもいいでしょう。

フィンランドの初夏にスオメンリンナを訪れれば、古い要塞を見るほかにあちこちで葉を出しているライラックにも出会うことでしょう。白や紫のライラックの花の香りは、夢見心地にさせてくれます。その昔、兵士たちが持ち込んできたこれらライラックは、ピペル公園で見ることができます。フィンランドで最も古い造船所であるスオメンリンナの造船所を覗くと、船というものがどれほど大きいものかということに驚かされます。

ヘルシンキの人々は海をこよなく愛しています。天気のいい日には、バッグにお弁当を詰めてヘルシンキ沿岸の島へと向かいます。日光浴をしたい人はピヒラヤサーリ島(Pihlajasaari)の浜辺へ、子供連れならムスタサーリ島(Mustasaari)の羊を見に、冒険心に溢れる人ならヴァルティオサーリ島(Vartiosaari)の森の小道を探検に。海辺に住んでいる人ならば、ちょっと気取ってすぐそばの海岸まで歩いていき、水際で足を濡らしてくるかもしれません。

ヘルシンキの海岸線は長く、それを辿っていくだけでも素敵な体験となるでしょう。マーケット広場から出ている観光船に乗れば、海からその海岸線を眺めることもできます。魅力的なクルーズのひとつにヘルシンキ東部の島々を回るものがあります。ヴィッリンキ(Villinki)といういくつものヴィラが並ぶ島や、サンタハミナ島(Santahamina)、ムスティッカマー島(Mustikkamaa)などを通ります。また、海を本当に近くに感じたければカヌーに乗るのもいいでしょう。カヤックやカヌーには、トーロ湾(Töölö)やヴオサーリ(Vuosaari)から乗ることができます。

文: ヘイディ・カルマリ