• Rasmus Tikkanen/Empire Helsinki. Kuva: Milla Visuri
  • Empire Helsinki. Kuva: Milla Visuri
  • TitiMadam. Kuva: TitiMadam
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ストリートファッション、アクセサリー、ハサミ、スケボー

ラスムス・ティッカネン(Rasmus Tikkanen)がニットキャップのデザインを始めたのは12歳の時です。30代になった彼は今、デザイン・ディストリクトのほやほやのショップオーナーです。エンパイヤー・ヘルシンキ(Empire Helsinki)は2013年6月にカフェ、アトリエスタジオ、レストラン、ブティック、アンティークショップ、デザイン事務所などが集まるプルッシミエヘンカトゥ通り(Pursimiehenkatu)にオープンしました。エンパイヤー・ヘルシンキの品揃えはよそでは手に入らないストリートファッションやブランドファッションです。ラスムスはお店のマネージメントのほかにもモダンアート、ニットの帽子やソックスのデザイン、売り物のファッションの手作りを手掛けます。ハサミのある作業台の横にはスケボーが立てかけてあります。ラスムスにとってハサミもスケボーもなくてはならないものです。

ドイツに住んでいたことのあるラスムスは、フィンランドには遅れて上陸してきたストリートファッションやストリートカルチャーを在独中に存分に吸収してきました。ヘルシンキは彼の新しいホームタウンです。「ヘルシンキは暮らしやすいサイズの街だし、道行く人たちもリラックスしていて個性的。街の至る所で見たり感じたりするクリエイティブな雰囲気+が大好き」ヘルシンキはスケートボーダーにとっても快適な街です。「街乗りも快適だし、一日もあれはヘルシンキをひとまわりできる。海岸沿いを流して途中カイヴォプイストの海を目前にするポンケ・スケボーパークでひと休みするのが最高」

エンパイヤー・ヘルシンキはリサイクルのファッションや小物も扱っています。ラスムスが地元のフリーマーケットを巡って仕入れてきたものです。「夏のヒエタラハティ広場のフリーマーケットがお気に入り。冬はカイヴォプイストのメリカトゥ通りにあるカヌーナに足しげく通う」というラスムス。すべては彼の両親が1970年代に始めたVillaWool Knitwear Co. という会社のオリジナル・ニットキャップと毛糸のソックスから始まりました。今までデザインされたキャップやソックスは5000種類にも及びます。その多くがエストニアの工場で生産されています。ショップをオープンしたばかりのラスムスはもう、何百ものニットキャップで溢れる、もっと広いショップを中心街にオープンすることを夢見はじめています。ニットキャップのほかにもラスムスの気になるのはストリートフードだそうです。

デザイン・ディストリクトではもちろんストリートフードにも出会えます。Fafa’s はベジタリアン向け、Maulitonはドイツ風ストリートフードの移動販売車です。ストリートフードが大好きなラスムスはヘルシンキにも屋台や小さなランチ食堂がもっと増えることを望んでいます。「ひとりで切り盛りするショップオーナーだから、ランチタイムにショップをクローズしないでおいしいものを手軽に買ってこれるストリートフードはとっても便利。ファビアニンカトゥ通りに出現したポップアップ・レストランHundred Dogs & Bourbonsは最高に楽しかった!」デザイン・ディストリクトで毎年開かれるローペリ・ストリートパーティーや、誰でもどこでもたった一日のレストランをオープンできる年4回開かれるレストランデーでは、視覚や聴覚ばかりでなく味覚も刺激されます。

ティーナ・ハカラ(Tiina Hakala)は2007年にアクセサリーのデザインオフィス・ティティマダム(titiMadam)をロンドンで立ち上げました。ラスムスと同じくホームタウン、ヘルシンキへ戻ってきたティーナも、デザイン・ディストリクトの中心フレデリキンカトゥ通り(Fredrikinkatu)にスタジオを構えました。この地区の家賃は若い起業家にとっても手ごろだし、支援もあります。でも何といってもお客さんやオーナーたちが同世代で、気さくでクリエイティブ、そしてフレンドリーなところがこの地区の魅力だそうです。「デザイン・ディストリクトは仕事と日常にとって最高の環境。ロンドンのように巨大でないから、必要な物もすぐ手に入るし、求める人にも簡単に出会えるのが本当に素敵」とティーナは微笑みます。

ティティマダムのほとんどのアクセサリーのモチーフは動物です。動物と生きるということへの愛がデザインだけでなくティティマダムのそのほかのプロジェクトにも反映しています。例えばアムネスティー・インターナショナルやWWFのためにアクセサリーをデザインしたこともあります。Superyellowのアンナとシェアするアトリエは光と「分かち合う」喜びがあふれます。「アンナといっしょに仕事をするのは楽しい。ヘルシンキは創造的なアイデアにあふれているけれど、その多くがデザイン・ディストリクトで生まれているのよ。ここにはクリエーターとさまざまな人たちの強力なネットワークがあるから「知恵者たち」が雑談しているだけでも、とっても面白いプロジェクトが生まれたりするの」とティーナは笑う。デザイン・ディストリクトの多くのショップやアトリエのオーナーたちは積極的にイベントを企画し、参加します。また海外のイベントにも仲間たちと一緒に参加したりもします。ティティマダムは2011年にデザイン・ディストリクトの会員になり、毎年ディアナ公園のデザイン・マーケットやLate Night Shoppingイベントにも参加しています。「ディアナ公園のバザーは雰囲気がよくて一番好きなイベント」とティーナ。

文: Milla Visuri