• Helsinki Päivä / Photo: Jussi Hellsten
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おいしいヘルシンキ

ヘルシンキは短期間にグルメの街へと成長してきました。新北欧料理は、ヘルシンキのレストランの皿を彩り、その料理を味わえるレストランをシェフの魅力で連日満席にしています。また食にもさまざまな新しい視点が取り入れられるようになってきました。フードイベント、レストランデー(Ravintolapäivä)では、街頭や公園、また家のすぐそばにポップアップ・レストランが現れたり、そのほか食文化のオアシスであるテウラスタモ(Teurastamo)のイベントでは新鮮な感覚で食を楽しむこともできます。テイスト・オブ・ヘルシンキが6月に再び、極上のレストラン達とグルメを出会わせてくれます。ストリート・フードもヘルシンキの至るところに出現します。

Ravintolapäivä. Kuva: Visit Finlandin mediapankki/Saara Salama

ヘルシンキの人々は地元食品に大変な関心を寄せています。この国唯一のメトロポリタンエリアには食料の地場生産がほとんどありませんが、地元食品に注目する北欧料理では距離にだけ注目しているわけではありません。首都圏のメリットを生かし、シェフはフィンランド各地の最高の食材を求め、旬を感じる料理を生み出すのです。ヘルシンキメニュー・レストランで、こういったメニューを見分けるのは簡単です。例としてレストラン・ノッカ(Nokka)で一番よく出ているメニューを調べてみてください!

都会の人々が新しい形の家庭菜園である大袋菜園にはまっている中で、多くのレストランは特定の農家と契約を結び、何を育てるか、どれだけ有機的に育てるか、どのように素材を生かしたメニューにしていくかを決めています。ミシュラン星付きレストランに最近仲間入りしたレストラン・アスク(Ask)の最初のヒットメニューは、ムイヤランニーットゥで育てられたカブハボタンとカブから作られた根菜カルパッチョ「ユーリ(Juuri、根)」でした。レストラン・アスクのシェフのフィリプ・ランゴフがラベンダーの汁で漬けた根セロリにも素材の味が強く生きています。

オーガニックレストラン・シェフ&ソムリエ(Chef & Sommelier)では、作物の生育期には保証付きの素材よりも近場で採れたものを使うようにしています。ランゴフ氏と同様、2014年春にミシュラン星を獲得したシェフ、サス・ラウッコネンのお気に入りの場所はヘルシンキの真ん中にあるクンプラの農学校菜園で、そこから毎日最良の素材を自ら摘んできます。また野菜の一部は、ヘルシンキの隣町シポーのグンボストランドにある自家菜園からのものです。

料理人たちがシンプルな素材に魅了されれば、当然そこを訪れるお客様たちも素材の味そのものを味わうことができるわけです。複雑に見える調理方法も、その根底には素材の本来の味を引き出すという目的が潜んでいます。そしてそれは生のまま出すことであったり、低温でじっくりと半日くらいかけて調理することであったりもします。これまで肉の調理に用いられてきた方法は、野菜の繊細な味を求める調理人たちにも効果的に用いられ、より多くのレストランがベジタリアンメニューを提供するようになりました。そのような例として、ベジタリアンまたはヴィーガン向けメニューを毎日用意しているシェフ&ソムリエの評判は広がっています。

そもそも野菜の役割が全体として注目を浴びつつあり、ミシュラン星付きのレストランはシンプルな素材の魅力を引き出すことに大きな力を注いでいます。レストラン・オロ(Olo)のシェフの腕にかかれば、キクイモもあっという間に9つの姿に変身して1枚のお皿の上に並べられることでしょう!

地元のレストランでも調理人たちが世界を廻って研究してきていることに気が付くでしょう。ストックホルム、コペンハーゲン、オスロのみならず、素晴らしい料理を提供するもっと遠くの街からもヒントを持ち帰り、彼らの手によって新たに自分流の純粋な味が生み出され、私たちを魅了するのです。

Torilla. Kuva: Helsingin matkailu- ja kongressitoimisto/Ewan Bell

グルメが自宅で料理するときに必要な素晴らしい食材を買いに行くのもずっと楽になりました。屋内市場やアントン&アントン(Anton & Anton)のような小売店では、昔はレストランのシェフたちにしか手に入らなかったような質の高い食材を取り揃えています。コールドスモークされたバルト海ニシン、生乳、長い時間熟成させてつくった国産チーズ、オーランド島のラム肉、こういったものを手に入れたいのでしたら、ヘルシンキの屋内市場や小さなフードブティックは最良の場所です。

夏になるとマーケット広場がにぎわいます。マーケット広場やハカニエミ・マーケット広場でとる朝食は、五感を研ぎ澄ませてゆったりと街を眺めるのに最高です。ヘルシンキの沖合にある島々を訪れるのも一日に変化をもたせるのにいいかもしれません。例えばピヒラヤサーリ島(Pihlajasaari)の海岸線を歩いて野生ハーブの使用を得意とする料理人サミ・タールベリの足跡を訪ねたり、サマーレストランのテラスに腰を掛けてスモークサーモンを食べるのもいいでしょう。アイスクリームを食べるのなら、夕陽の中、カイヴォプイスト公園(Kaivopuisto)の海岸通りをのんびりと歩きながら食べるのが最高です。ロンナ島が2014年の初夏から一般公開されています。島にピクニックに行くもよし、野生のハーブで仕上げられたレストランの料理を楽しみに行くのもよいでしょう。

文:マリアーナ・ネリマルッカ


更新 24/05/2016